太宰治原作『赤い太鼓』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソプラノ歌手のためのモノ・オペラ

眞野美佐子 ソプラノリサイタル『赤い太鼓』

 

原作:太宰治

脚色・作曲・ピアノ・打楽器:川口耕平

ソプラノ:眞野美佐子

 

ライブ録音:2013年9月

会場:ひこね市文化プラザ (滋賀県彦根市)

 

CD制作:国際芸術連盟

¥2500(税別)

 

 

【CDのお問合せ・ご購入は国際芸術連盟まで】

国際芸術連盟 

〒160-0022 新宿区2-15-2 岩本和裁ビル2階

TEL:03-3356-4033 / FAX:03-3356-5780

E-mail:  music@jila.co.jp Web: http://jila.co.jp

 

 

【モノ・オペラのおもしろさ】 眞野美佐子

 2013年9月、滋賀県彦根市にて「川口耕平作品による 第14回 眞野美佐子ソプラノリサイタル」を開催いたしました。第1ステージで谷川俊太郎の連詩に作曲された連作歌曲「みち」の12曲を演奏し、第2ステージで、このたびCDリリースしました太宰治原作のモノ・オペラ『赤い太鼓』を上演させて頂きました。

 『赤い太鼓』は、10人もの登場人物を歌い手が一人で歌い、朗読と独唱で物語が展開されていきます。

話の内容は実におもしろく、演奏者も聴衆も、あたかも物語の中にいるような臨場感を共有できるという、楽しいものです。文学と音楽の芸術性の融合によって深まる、表現のパワーを皆様にお伝えできれば幸いでございます。

 

眞野美佐子・略歴

国立音楽大学声楽科卒業。1977年を初めとし、14回のソロリサイタルを名古屋市(電気文化会館にて2回、内1回は国際芸術連盟主催)、岐阜市にて2回(サラマンカホール)、大垣市にて3回(文化会館)、彦根市(彦根市民会館)、大津市(びわ湖小ホール)、京都市(文化芸術会館にて1回、京都府民ホール・アルティにて2回)開催。また、元NHK交響楽団トランペット首席奏者・北村源三氏の「東京トランペットカルテット」との共演の他、東京をはじめとする各地におけるジョイントコンサートにも多数出演している。

1986年イタリア・シエナにおける夏期国際セミナーに参加し、ダニエルフェルロクラスにて研修。

特にイタリアと日本の歌に取り組み、古典から現代までの幅広い作品のプログラムでのリサイタルを重ね、曲に付された詩の内容を深く歌い上げる演奏は、独自の世界を創り上げている。

1996年京都府民ホール・アルティで行われた、川口耕平氏の伴奏によるリサイタルでは、氏の編曲構成による「歌と語りによる宮澤賢治の音楽」13曲を歌い、賢治の音楽の世界を世に紹介した。この時のライブ録音は国際芸術連盟よりCDとして制作され、NHKラジオ、テレビ朝日系番組、読売テレビ系番組に取り上げられ、全国に放送され、大きな反響を呼んだ。

一方、ヴォイストレーナー、合唱指導者としても活動し、柔らかな美しい響きの女声合唱の育成に力を注ぎ、多くの演奏会を催している。

2005年1月、岐阜県大垣市主催による「芭蕉生誕360年祭」において、川口耕平氏作曲「松尾芭蕉 奥の細道 六章」を演奏する。

故 西内静、故 内本実、故 上浪明子の各氏に師事。

日本演奏連盟会員、ムジカA国際音楽協会会員、美声会主催。

大垣女子短期大学教授を経て、現在、中部学院大学教育学部教授。

論文に「宮澤賢治の音楽をめぐって」「短期大学における声楽専攻学生の発声指導について」がある。

滋賀県彦根市在住

 

 

 

【『赤い太鼓』について】 川口耕平

 我が国には落語と講談という、一人で行う大衆演芸がある。それならば、華やかな舞台装置、多人数の独唱者と合唱、フル・オーケストラに演出家と指揮者、などなどの力を用いずに、一つの物語を面白く演じることも可能であろう、と私は考えて仕事をしてきた。

 2010年夏に大塚由乙(おおつかよしと)氏の委嘱によって作曲し、翌年夏に同氏のソプラノ独唱会(東京江戸川区東部フレンドホール)で初演された。器楽はピアノの他、七種類の打楽器を用意して全て作曲者が担当した。台本は太宰治作「新諸国噺」所載の『赤い太鼓』全文で、その末尾に「本朝桜陰比事、巻一の四、太鼓の中は知らぬが因果(井原西鶴)が出典」とある。

 天才作家太宰の作品の中でそれほど知られていないが、味わい深い一種のミステリーものである。

 眞野美佐子氏は作曲者の大垣女子短期大学勤務時代の同僚。本来学ばれた洋楽のほか、日本語による声楽作品の演唱に深い研鑽を積まれた方である。

 なかなかの困難も伴うこの作品を、まことに立派に上演された録音記録が、前回の「金子みすゞを歌う」に続いてCDとして制作されると伺い、心から喜んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川口耕平・略歴

東京藝術大学作曲科卒業。故  下総皖一氏に作曲を、田村宏氏にピアノを師事。1964年、全国主要都市で開催されたフェルッチョ・タリアビーニテノール独唱会の伴奏をつとめて以来、声楽家の伴奏者として国内、国外で数多くの演奏会に出演している。

一方、声楽作品の創作に力を注ぎ、聖書を題材にした2作の室内オペラ、12作の民話による音楽劇などの他、多数の歌曲がある。

1990年に東京イイノホールで、1992年に東京モーツァルト・サロンで、1994年に秋田、1998年に熊本で自作品の発表会を開催した。

東京藝術大学、大垣女子短期大学に勤務したのち、2003年3月まで千葉大学教育学部で作曲理論とピアノを担当した。現在、千葉大学名誉教授。

 

 

川口耕平・主要作品リスト

≪室内オペラ・音楽劇≫

聖書による「石打たれる女」 聖書による「十人の乙女」「おならをしたかかさま」「河童の婿殿」「世界一おいしいスープ」「芝居の好きな閻魔さん」「花咲き山」「おなつ狐の礼返し」「三年峠」「3年寝太郎」「お化けリンゴ」

能による「恋の重荷」、狂言による「濯ぎ川」

狂言による「蟹と巡礼」

歌と語りによる「宮澤賢治の音楽」

 

≪合唱曲≫

朗読・合唱・ピアノのための水野源三の詩による頌歌「こんな美しい朝に」

朗読・合唱・ピアノのための「御国をめざして」

バリトン独唱・混声合唱のためカンタータ「蜘蛛の糸」

女声合唱のための「七つの詩偏歌」「金子みすゞの詩による七つの女声合唱曲」

 

≪歌曲≫

松尾芭蕉「奥の細道 六章」「高田敏子の詩による三つの歌」「河野進の詩による歌曲集 よろこび」「谷川俊太郎の詩による連作歌曲 みち」「六つの信仰曲」「詩集 憩いのみぎわに による八つの歌」「山下千江の詩による二つの歌」「土持充の詩による六つの子どもの歌」